パプアニューギニア活動記

JICA青年海外協力隊 2016年度2次隊 小学校教育隊としてPNG(パプアニューギニア)へ

協力隊活動2017上半期 任国外旅行

フィリピンの小学校

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任国外旅行4日目(1/25)に、パラワン島にあるプエルト・プリンセサ・パイロット・エレメンタリー・スクール(PPPES)にお邪魔しました。

フィリピンの小学校は学校ごとに特徴があるようで、この小学校は理数科に力を入れた学校でした(Special Science Elementary School)。

パラワン島に到着してすぐに州の教育省に行き、小学校を見学したい旨を申し出て、レターを書いてもらいました。(自分がJICAでPNGに派遣中であること、フィリピンの教育に興味があり、それをPNGでも役立てたいことを伝えたところ、快諾していただけました!)

そして当日。多少の不安もありましたが、レターを見せると既に話は通っていて、校長先生に笑顔で迎え入れていただきました。見学させてもらったのは3年生と6年生。算数・理科・音楽を中心に見学しました。

午前中は3年生のクラスを見学

まずは3年生の教室で自己紹介。

グループで話し合い、その結果を発表する時間をとても大切にしていました。これは6年生でも同じことが言えます。

フィリピンではタガログ語が多くの地域で使われていますが、学校では英語を教えています。授業はもちろん英語です。3年生の算数で印象に残ったのは・・・

①計算には必ず単位を付ける。何を求めているのかを明確にする。(例:14days÷7days=2weeks)

②考え方や計算の仕方は、生徒が前に出て発表する。(先生がチョークを持たない)

③英語のミス(複数形や三人称単数)はその場で指摘し、言い直しさせる。

④正解したときには、クラス全員の掛け声でモチベーションアップ!(動画の1:10~) これは何パターンかあり、6年生の様子でも別バージョンを紹介します。

どうですか?とても楽しそうに授業が展開されています。あくまでも生徒が主役。これを徹底していました。黒板の真ん中が白くなっているのはホワイトボードで、プロジェクターのスクリーンにもなります。考えられていますね!あと細かいことなんですが、この学校は黒板の両サイドが教室の内側に向かって湾曲しています。黒板の隅の字は見にくい、ということもありません。

午前中最後の授業で、生徒たちは昼食のために解散となります。家に帰ってもよし、ランチボックスを外で食べるもよし、近所の食堂で食るもよし、です。

また、学校の中には30人~40人が入れる給食室のような所があって、栄養バランスを考えた昼食が提供されます。毎日交替で利用できるように、クラス単位で利用日が決まっているようです。日本で言うところの食育の一環でしょうか。

案内してくれた先生。真ん中の方が校長先生です。3人とも冗談を言って、部屋中に響き渡る声で笑っていました(^^) パラワン島の人たちはとっても陽気!

外でランチボックスを広げて食べている子もいました。この時期のパラワン島はクールドライのシーズンで、25℃~30℃で湿度が低いという過ごしやすい日が続きます。

午後は6年生の数学・音楽を見学

12:00~13:30の昼休みの後、午後の授業が始まります。驚いたのは、全員が学校に戻って来ること! PNGでは午前中の授業が終わって家に一旦帰ると、ほとんどの生徒は戻って来ません。生徒は半分以下になってしまいます。

そう考えると日本の給食制度は、午前も午後もフルに授業が実施できる、とても効率の良い教育システムなのだと思いました。

さて、数学の授業。今日は図形です。図形を使って人間の形を表現。ここまではよくある授業展開かと思います。(駒ヶ根訓練所のテクニカルクラスを思い出しました)

次に出てきたのは、それを立体図形にしたものが登場しました。同時に平面図形と立体図形を扱うわけですね。これは斬新でした!

グループによる話し合いの様子です。この時は、グループごとに1つの図形を与えられ、身の回りにあるものを5つ書いていく、というものでした。

下の写真のグループは円錐(コーン)です。バースデーハットとサンタハットで2つという荒業(笑)

そして、発表します。

「日本人が来た」ということで、日の丸を書いてくれたグループもありました。嬉しいですね!

最後に全員で記念撮影

数学の先生と教育実習生(教育実習は4か月間だそうです)

 

次に6年生の音楽の授業を見学しました。音楽専用の教室とは言っても、楽器がある訳ではなく、他の教室と同じように机と椅子だけです。コーラス中心の授業のようです。今日は輪唱の授業でした。こちらもグループで「どうやったら上手に歌えるか」の話し合い中です。

上の写真で、教室の前にある緑色の小部屋・・・これはトイレなんです!教室の中にあるのも驚きですが、授業中に普通に使っていることも驚きでした。フィリピンの一般的なトイレは、自分で桶の中の水を便器に流すという「手動水洗」のようです。「トイレが外にあったら、そのままどこかに行ってしまう生徒がいるかもしれない」という理由だそうです。国が変われば学校のトイレ事情も変わりますね。ちなみにパプアでは校庭にトイレがあります。トイレに出掛けたまま戻って来ない生徒もいます。パプアにフィリピンのシステムが欲しい!

もちろんグループ発表もあります。恥ずかしいからか、なかなか声は出ません。

最後に、このクラスでも集合写真を。


さて、3年生でも紹介した「正解したときの掛け声」の6年生バージョンです。楽しそうな雰囲気が伝わってきますね!

 

 

最後にオフショットを何枚か・・・


 

●理科の教室

●校内の掲示物

▲教室の扉。タガログ語で「お入りください」の意味。

▲九九を廊下の一番目立つところに掲示してあります。12×12まで!

▲どの国でも分数の計算は一つの壁ですね。

●休み時間の一コマ(みんな元気良すぎて写真がブレます!)

▲木登り少年。高いところに登りたくなるのも万国共通?

 (参考 パプアの3年生)

▲驚くことに、ほぼ全員がスマホやタブレットを持っています。日本のアニメに興味津々です。

●その他

▲校舎の周りに至る所にある職員室。ここで採点したりパソコンで仕事をしたりしています。いつでも生徒が何をしているのか「監視」できるのです。

▲校長室にて

▲とにかく広い敷地。たくさんの校舎。迷路のようです。それでも3,000人の生徒を収容するために新校舎を建設中でした。

▲昼休みは先生とフィリピンでは超有名なファストフードの「ジョリビー」へ。チキンと一緒にライスが出てきます。フォークとスプーンで。不思議。マ○クじゃないよ、ジョリビーだよ!


次回は、フィリピン任国外旅行の「おまけ」です!

注)写真の掲載について、PPPESの校長先生より掲載の許可を得ております。

-協力隊活動2017上半期, 任国外旅行

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