放課後の職員会議中、カレンダーを見ながら指折り数えていたら、今日がちょうど帰国50日前になるようです。他の隊員はラストスパート、総仕上げといったところでしょうか?
しかし、私は違います。任地変更をして新しい配属先で働いているので、何となく新隊員と同じような気持ち。何ならあと1年ぐらいはアロタウに居るんじゃないか、という変な気持ち。
コエアブル小学校で授業を始めてから1週間ちょっと。ここまで感じたことをまとめておこうかなと思いました。
学校のレベルが高い=指導が「楽」ではない
まず言えることはこれですね。先生がしっかりしていて授業もポポンデッタに比べたら熱心。しかし、そうなると「ついていけない」生徒の割合が高くなります。幼児教育は無いに等しいので、小学校入学前の家庭環境がそのまま学力となって現れるのが途上国の特徴と言ってもいいでしょう。そうなると、入学後の学力格差は相当なものになってきます。
私が担当している6年生のクラスも勉強ができる生徒が一定数いる一方で、ついていかれずに落ち着かない生徒、すぐに話す生徒、ブアイに走る生徒・・・などなど、その割合はポポンデッタよりも間違いなく高いです。既に「勉強に対する諦め」が出ている生徒が多いように思いました。ポポンデッタではできる生徒はクラスに1~2人だったので、言ってみれば「ほとんど全員が落ちこぼれ」状態。勉強ができなくても目立たなかったんですね。
今の学校では「できないと目立つ」ため、その生徒が勉強を放棄して他の生徒の邪魔をします。カンニング(教え合うこと)は、もうこの国の文化だと半分諦めているので(笑)どうしようもないんですが、他の生徒の邪魔をすることは先生が危機意識を持ち、学校全体の問題として対策をしていかないといけません。そのうち(とは言っても時間はないけど)職員会議で話してみようと思っています。
私は指導歴も長いので、それに対してすごく困っている訳でもなく、授業は順調に進んでいます。しかし、小学校の先生が勉強と生活指導に追われ、問題を抱えている生徒を見過ごすことがあってはなりません。PNGの教員養成校(2年間)でどこまで踏み込んでいるのか分かりませんが、学校行事やコミュニティの話し合いとは別に、問題を抱える生徒に関する情報共有をもっと密にした方が良いと思いました。
この1週間で、意識が高い学校だからこそ見えてくる問題にも直面したように思います。言い換えれば、レベルの高い学校だからこちらの意識も高くなったのでしょうね。
しかし、先ほども言ったように授業そのものは楽しくやらせてもらっていますし、カリキュラムも順調です。体調も崩すことなく元気(^^♪
毎週月・水・金の10時からは職員ミーティングがあると、何度かこのブログでも紹介していますが、その際に「お茶菓子」を用意する先生(学年別)が曜日によって決まっています。
▲当番表。しっかりしてる。
今日は6週目の月曜日なので、まさに6年生の先生が当番でした。私も先週クッキーを買っておいて持っていきました。
で、6年生の先生が持ち寄ったものを皿に盛って出されたのがこちら。
お茶菓子というより食事に近い。校長先生の話はそっちのけで、先生方はひたすら食べる!この制度は問題ありですね・・・
ちなみに、パンかと思って食べたものは「おやき」の具が少なすぎる版といったとこで、魚も入っていて少々生臭かったけど美味しくいただきました。
お皿は6年生の先生(副校長)が先生方のを回収していました。「洗ってもらって申し訳ないな~」と思ってたら、先生は自分のクラスの生徒を呼んできて「これ余ったの食べていいから皿洗いよろしくね!」と言っているではありませんか!!どうしようもないな。先生方が使った皿を生徒に洗わせる・・・
でも、ここで腹が立つのではなく「面白いな~」と思ってしまう時点で、自分もパプアナイズ(隊員による造語)されているなぁと感じずにはいられません(笑)
任期終了後に日本に適応できなくなる人もいる、と言われる所以です(‘ω’) 日本と変わらないのは車の左側通行ぐらいですから!
そう、「間違い」ではなく「違い」なんです。否定せずに受け入れることも大事。
▲この3人の女子生徒が食べ物を手に入れる代わりに皿洗い・・・
こうして世代を超えてPNGの常識は引き継がれていきます。
トイレットペーパーの芯がペン立てに利用されていることは以前紹介しました。
▲これ。カラフルに塗ってある「芯」もあります。
今日新たに見つけたのがこれ↓
カーテンを芯に通せば見た目も何となくオシャレ。よく考えるものです。