パプアニューギニアには800以上の部族と言語が存在すると言われています。
確かに、マウントハーゲンのロッジの周りにも幾つもの村があります。数百メートルしか離れていない村でも使っている言語が違います。言語学者もとても興味深いことでしょう。PNGには都市と都市を結ぶ道路はありません。(PNGには鉄道すらありません)これは、安易に道路を作ってしまうと部族同士が容易に行き来できるようになり、争い事が増えてしまうためです。そのため、都市間の移動は専ら飛行機となります。JICAボランティアも都市間の出張や総会の際には飛行機だけを使います。以下の地図は主要都市を示したもので、首都は”PORT MORESBY”で、語学訓練が行われているのは”Mount Hagen”という所になります。私の任地は”Popondetta”です。PNGの国土は日本の1.2倍もあります。スケールバーを見ても分かる通り、首都POMからMt.Hagen間は500km程離れています。
今隊次4名の内2名がPopondetta、2名がニューブリテン島の”Rabaul”近くのココポという場所になります。もともとラバウルが州都でしたが、1994年の噴火によりココポに州都が移っています。また、太平洋戦争時の名残も多くあり、9万名の大軍が配置されて堅固な要塞を築きました。洞窟陣地も多く、今でも観光に訪れる人が後を絶ちません。私も任期中に一度は足を運んでみたいと思います。
さて、他民族多言語の中でもピジン語は共通の言語として有益です。もちろん普通の英語も使えますが、ピジン語を使えた方が彼らの生活の中により深く入り込んでいけるわけです。
パプアニューギニアを象徴する”Wantok”という単語があります。One+Talkに由来するピジン語で、同じ言葉を話す集団を意味します。同じ言葉を話す集団=同じ部族としての帰属意識は非常に強く、一つの家族として捉えられます。ワントク内の人間であれば安全で、失業しても、家をなくしても、生活費をワントクが面倒をみてくれます。ですからPNGは極端な貧困層は存在しないのです。逆にワントクのプライドを傷つけられるようなことがあれば、部族抗争に発展する、という訳です。ピジン語にもワントクならではの細かい単語が数多くあります。
・「お母さんの」男兄弟 kandre man
・「お父さんの」女姉妹 kandre meri
これは一例ですが、覚えていくのが大変です。”meri”は女性のことです。女の子は”pikinini meri”と呼びます。
▲村はこんな感じで点在しています。森の中に村が隠れている!
▲一見、どこに村があるかわかりませんね。
▲家はこんな感じのものがほとんどです。歴史の教科書を見ているようです。
▲家の中の様子。ハエが多くて日本人は慣れないと厳しい環境かも。(ロッジにもハエは多くて困ります)